前回は、『解体工事前に必要なライフライン処理・手続き』に関して解説させて頂きましたが、今回は解体工事前に必要な行政等への届け出について解説させて頂きます!
◉届出の種類
届出の種類は、大きく分けて6つ存在します。
①アスベスト除去の届け出
②建築リサイクル法届け出
③建築物除去届け出
④道路使用許可申請
⑤建物滅失登記申請
⑥ライフライン処理・手続き
◉届出先と提出期限等の詳細
①【アスベスト除去届け出】
・届出者:施主・業者
・提出先:都道府県知事
・何日前までに?:工事着工14日前
▼届出の対象▼
・解体する建築物にアスベスト(レベル1、レベル2)が含まれいているもしくは含まれている可能性が有る場合
※アスベストが含まれていない場合でもその事前調査結果を行政に報告しなければなりません。
※アスベスト関連の届出に関しては、アスベストのレベルによって提出する書類の種類・届出先が変わります。
●手続きに必要な書類
・工事計画届(レベル1)
・特定粉じん排出等作業実施届書(レベル1・レベル2)
●アスベストに関するその他の届出
・事前届出の実施(建築リサイクル法届け出内に含まれいています。)(アスベスト全般・含まれていない場合も)
・建築物解体等作業届(レベル1・レベル2)
参考URL
出典:建築物等の解体等工事を行う際の石綿の規制について(埼玉県の場合)
出典:石綿を含有する建築物の解体等に係る届出について
②【建築リサイクル法に関する届け出】
・届出者:施主
・提出先:自治体
・何日前までに?:工事着工7日前
▼届出の対象▼
・建築物の解体工事:床面積の合計80㎡以上
・建築物の新築・増築工事:床面積の合計 500㎡以上
・建築物の修繕・模様替等工事(リフォーム等):請負代金の額 1億円以上
・建築物以外の工作物の工事(土木工事等):請負代金の額 500万円以上
を行う場合。
●手続きに必要な書類
・届出書
・分別解体等の計画
・工程表
・案内図(地図等)
・写真又は設計図(建物が分かる物)
・委任状(誰かに委任する場合)
参考URL
出典:建設リサイクル法関係(埼玉県の場合)
③【建築物除却届け出】
・届出者:解体業者
・提出先:都道府県知事
・何日前までに?:工事着工前日まで
▼届出の対象▼
・解体工事を行う床面積10㎡を超える建築物の解体工事を行う場合
・既存の建築物を除却し引き続き当該敷地内に建築物を建築しない場合。建築確認申請の申請先に建築工事届を提出しないとき
●手続きに必要な書類
・建築物除却届
参考URL
出典:建築物除却届(埼玉県の場合)
④【道路使用許可・占有許可申請】
・届出者:解体業者
・提出先:警察署
・何日前までに?:工事着手前日
▼届出の対象▼
・解体現場に駐車スペースが無く解体現場の外に工事車両等を駐車したり資材を置いたりする場合
※申請をしてから許可書交付まで数日かかる場合があるので早めに届出をしておくと良いでしょう。
●手続きに必要な書類
・申請書
・位置図
・見取り図
・申請行為を具体的に説明する資料
参考URL
出典:道路使用許可に関する申請手続(埼玉県の場合)
※申請手数料支払いに関して、現金の場合、窓口ではなく近くのコンビニ等で払込み用紙にて支払いを促されるケースが有るので、警察署窓口にてキャッシュレス決済をお勧め致します。
⑤【建物滅失登記申請】
・届出者:施主
・提出先:法務局
・何日前までに?:工事完了後1か月以内
▼届出の対象▼
・建物を解体する場合・解体工事のみだけでなく自然災害や火災等で建物が無くなった場合。
※建物がそもそも登記されていない場合、滅失登記は必要ありません。(お住まいの地域によっては、市区町村へ『家屋取り壊し届』を求められる場合が有ります。ので市役所・法務局へ確認しましょう。)
●手続きに必要な書類
・登記申請書
・建物の配置図
・現地写真
・登記事項証明書
・建物滅失証明(解体業者が発行)
・代表事項証明(解体業者が発行)
・法人印鑑証明(解体業者が発行)
参考URL
出典:法務局トップページ不動産登記申請手続建物を取り壊した(埼玉県の場合)
◉まとめ
解体工事前後に必要な届け出の種類について解説させて頂きました。
ライフラインの処理手続きを同様、代わりに対応してくれる解体業者さんもいるので工事前に確認してみるのも良いと思います!
解体工事の際、手続きを怠ってしまうと罰則等にもつながりかねません。
基本的に、施主様自身で手続き等が必要な場合、解体業者さんから手続きの流れなど指示があるかと思いますが、すべて丸投げせずに、『自身で用意する物・自身で行う手続き』等不明点は細かく質問し漏れが無いよう心がけましょう!